女子力
雨が続いて気が滅入る。そして相も変わらず諸々のことが雑然となったまま日々を過ごしていて、どこか落ち着かない。
そんな中、『AneCan』の最新号の中吊りを電車で見てひっくり返りそうになった。「女子力って何だ?」だと?こっちが訊きてえよ。中吊りを見る限り、その「女子力が何か」を押切もえがIKKOにインタビューしているようで、これはもう悪い冗談にしか思えない。女が男に女子力について尋ねるってどういうことだ?
まあ、そもそも私にしてみれば近頃バカの一つ覚えのように頻発される、この「女子力」とやらが一体何なのかさっぱり分かっていない。さっそく全知全能のネットの海で「女子力」を検索したら、はてなキーワード様にちゃんと説明があった。
「女性の、メイク、ファッション、センスに対するモチベーション、レベルなどを指す言葉。主にJJ、cancamなどを購読する層がよく使う。安野モヨコが『美人画報』で「女子力」を多用している。また、「男性受けを狙っている」というニュアンスの負の意味で使われることもある。」
はあ。なるほど。私が漠然と持っていたイメージとも合致するな。
どっかで見覚えがあると思ったら『美人画報』で安野モヨコが多用してたのね。通りでな。おれ、『美人画報』全部持ってたしな。
しかしさあ、この「女子力」の高さってつまりは「猛禽度」の高さってことじゃないのかね?いや、ちっと違うか。「女子力」を高めるのは修行でありそれはつまり、「スーパーサイヤ人になる努力をする」ことで、「猛禽」は生まれながらに強い「花山薫」なんであって努力とは無縁のものなような気はする。知らんけど。
突然ファッションの話になって恐縮だが、私は「女子力」高い人のファッションも「猛禽」のファッションも両方ともすっごい好きってわけじゃないんだよな。以前ここにも書いたが『CLASSY』に載ってるみたいな、ややコンサバな綺麗目ファッションは好きではあるけど。
多くの女性ファッション誌に言えるのは、「(流行を取り入れつつ、しかも自分で意識してそれを選んでいると思わせるように誌面を作り、結果)いかにして男受けするか」という意図があるんじゃねえのかってことですよ。それは赤文字系でもそうだし『Oggi』、『CLASSY』とかの割とコンサバ目の雑誌も一緒。確か先月号の『CLASSY』のコピーは「結婚する服」とか書いてあったしさ。
何と言うか、「女子力つけなきゃつけなきゃああああああああ!」って人はダメだと思うよ。付け焼き刃は意味ないです。この日記には何度も同じようなことを書いているが、「品」であるとか「好ましい印象を与える振る舞い」は、装備するものではなく、滲み出てくるものだと思うんですけどねえ。
大体「飲み会の席で積極的に料理を取り分けたり、食器類を下げてもらう」なんてことができたぐらいで、「おお!」となるような輩がいるわけ?バカでしょ?誰でもやるよ、そんなことは。男女問わずね。しかもそれを「やるぞお、やったるぞおおお」となってる奴は、MPの相当部分をそこに費やしてるんだから、他の人よりその会を楽しめてないよ。残念だよ。
気がついたらやるくらいでいいんじゃないのかいな。
で、またファッションの話になるんだけど、私はやっぱりモード系の格好は好き。『VOGUE』、『ELLE』だと一点が高えからそれは無理だとしても、『SPUR』くらいなら頑張ればいけるのではないか。モード系の何がいいかと言えばですね、赤文字系とかの「モードの下流地帯」に比べると、「男の目を意識している部分が少ない」とこがいいですね。
無論「男の目を全く意識してない」というのは無理だろうけど、「インディペンデント」な感じを醸しているのは非常に好感が持てる。って早い話が「あたしは自分がこれを着たいから着てるだけ。文句ある?」って態度が好きなんである。そりゃブランド毎のカラーもあろうから一概にそうだとも言えんが、少なくともそういう気概が感じられるとこが好き。
何の話だ?ああ。女子力か。別にいらねえと思うよ。むしろ躾とか要所要所の気配りが大事。
って偉そうなことをいってるおれは30代男性独身彼女なしだし服装はいつもジーンズにTシャツ。おほほ。