消費税の免税事業者の見直し(H23年度改正)

中小企業でも第2期目から消費税が課される可能性が・・・

本年度の税制改正で消費税の免税事業者についての改正が行われました。
今まで、2年前の課税期間(通常、2期前のこと)の課税売上高が1,000万円を超えるかどうかで判定していたものを、1期前の前半6ヶ月で課税売上高が1,000万円を超える場合には免税事業者とはなれず、消費税が課税されることになりました。
この適用はH25年1月1日以降に開始する事業年度からになりますが、この改正の趣旨について考えてみたいと思います。

今まで、消費税は2期前の課税売上高が1,000万円以下であれば課税を免除されていました。つまり、免税事業者となれました。
この場合、設立から最初の2年間は2期前の期間がないので、課税売上高の代わりに資本金で判定することとして、資本金が1,000万円未満の法人については消費税が免除となっていました。
さて、世の中では悪いことを考える人がいるもので、この法律をうまく使って2期ごとに新たな法人を作っては、そちらに事業を移してしまうことにより、消費税を逃れ続けようとしたケースが出てきました。もちろんこうした脱法行為を行ったことが税務署にばれれば否認されて追徴課税されることにはなったのですが。
今回の改正は、まさにこうしたケースを回避するために設けられたものと思えます。2期前ではなく1期前の前半で判定するため、新たに法人を作っても課税売上高が大きければ第2期から課税されることになり、免税事業者である期間は最初の第1期だけに限られることになります。こうすることにより不正をしたとしても今までに比べてあまり得をできないようにしたわけです。
 しかし、普通に法人を設立した場合にも今回のケースは当てはまりますので、これは結構厳しいかな、と思います。
 ただ、今まで2期前が1,000万円での判定でしたが、1期前については前半6ヶ月で1000万円超の場合、となっていますので、年間で考えれば2,000万円超の課税売上高の場合となります。さらに、課税売上高に変えて給料の総額が1期前の前半6ヶ月で1,000万円を超えていなければ免税事業者となれるようにもなっているのである程度条件は緩和していることが伺えます。
 とはいえ、いずれにしても税を負担できるだけの規模のある会社からは設立2年目からでも消費税を取るという趣旨であることは変わりないので、1年目の前半で1,000万円以上の課税売上高が上がる規模の会社にとっては、痛い話です。

2011/9/12 (S)

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