第8回セミナー 「失敗から学ぶ経営学」レポート

第8回セミナー「失敗から学ぶ経営学」レポートです。

 

 

 



講師:鴻鵠の会理事 内尾由生弥

講義の概要
1.なぜ失敗について学ぶことが大切なのか
2.失敗の人的要因の種類
3.実際の事例
4.まとめ



1.なぜ失敗について学ぶことが大切なのか

(1)絶対に成功する手法は存在しない

①「いつの世にも普遍的に通用する絶対に成功する手法」が存在しないため
 ⇒時代の変化とともに条件が変わるため、1つの成功方法は陳腐化するので。

②現在有力とされている成功のためのノウハウを取り入れても成功が難しい理由
 ⇒地域の違いや、会社や経営者の持っている特質の違いなど、それぞれの条件に違いがあるため


(2)一方、失敗には法則が存在する

失敗には法則が存在するため、この法則を学び活かすことができれば会社を倒産に至らせずに済む


2.失敗の人的要因の種類

(1)欲得・・・経済的な利益や社会的な地位などに目がくらんでしまった
(2)気分・・・気分が高揚していたり、沈んでいるときに大きな決断をしてしまった
(3)うっかり・・・失敗の原因を見過ごしていたり、忘れていたり、うっかり判断をあやまってしまった
(4)考え不足・・・思慮が浅かったり、あるいは全くなかった
(5)決まり違反・・・ルールを無視したり、て抜きしたりした
(6)惰性・・・(5)とは逆に、マニュアルに頼り過ぎて考え足らずになった。なれきることによって思い込みが生じた。
(7)格好・・・体面にとらわれたり、必要以上に恰好をつけようとした
(8)横着・・・手を抜いたり、他人に責任転換して、本来やるべきことをやらなかった
(9)思い入れ・・・強い使命感や生きがいを持っていたことが仇となった
(10)自失・・・全く未知の事態に遭遇したり、判断が出来ないような状況で自失状態になった

※無論、実際の倒産事例における失敗原因は複合的なもので、単一の原因に帰することはできないが主要な原因を探すことで次に活かすことが出来る。


3.実際の事例
セミナーではオカノアソシエイツの例をとり、設立依頼16年間黒字の会社が、その後、わずか6年で倒産に至った事例を紹介


4.まとめ

(1)失敗を防ぐための心構えと準備

 【失敗は隠れたがる】ことを肝に銘じる!
⇒経営の森の中に失敗が姿を見せても、経営者である当人が「そういうものを見たくない」と思っていれば、その失敗は当人の目には入らず、経営の森の中にただ木があるようにしか見えなくなってしまう。

 【自分だけは誤らない】という過信をしない!
⇒「自分だけは誤らない」ということはあり得ない。根拠のない過信を持っている人間は失敗を学ぼうとしない。小さな失敗から学べなくなると、やがて大きな失敗=倒産 にいたります。常に、自分は失敗をする可能性があるんだという謙虚さを忘れないことが大事。


※失敗を防ぐには「失敗は探す気がないと隠れがちである」という性質があり、また、人は成功体験を積み重ねると「自分だけは誤らない」という過信に陥りがちである、ということを知った上で、敢えて「見たくないものを探す」という心構えを持って経営に当たる必要があります。


(2)それでも失敗は起きるもの

①失敗体験を次に活かすよう分析するために必要なこと
・原因を「特性」と「要因」の2つに分けて考える。
 「特性」・・・失敗を誘発する性質。会社の仕組みや組織風土など
 「要因」・・・実際に失敗を生んだ基となるもの

【具体例】
『オカノアソシエイツの場合』

「特性」
・長年の実績が自分は間違わない、という経営者の過信を生んでいた。
・社長に意見を言えるような社員がいない、言えない組織風土であった。
・経営管理、財務管理などを客観的に行う内部統制ができていなかった。
・絶頂期に本社ビルを建てたり、日本初のブランドを2つ手がけるなど、経営者の見栄(恰好)が先行する状況であった。

「要因」
・新たなライセンス契約での失敗を2件続けてしまった。
・上記、ライセンスによる売上見込みが甘かった。バブル崩壊後の時代を読み誤った。
・消費者のニーズを客観的に把握できていなかった。
・上記、失敗の穴埋めをしようとして、既存の店を2年で53店から100店に急拡大をしてさらに資金繰りに窮した。

 

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