「日本の1/2革命」を読んで②

さて、本書では今の日本についても触れられており、自民党から民主党が政権交代をしたことも一種の革命と捉えて論じられていました。
 確かに戦後50年体制を強いてきた自民党が大敗を喫して、政権交代が実現した。そして、新政権というのは今までの実績を持たないため言葉で語って信頼を得ようとしてきたのですが、フランス革命ではそれが人権宣言として採択をされたものが、民主党ではマニフェストとして、選挙で謳われて政権交代を果たしました。


 しかし、このマニフェストに足を縛られることになります。言ってしまったからにはやらなくてはならない、しかし、今から思うと理想主義であった、現実的ではなかったので変更すべきではないか、いや、変更してはマニフェストを守らなかったことになってしまう、となるのです。


 フランス革命でも人権宣言に縛られることになり、結局、色々反対はあるもののなるべく人権宣言に忠実に従おうとするジャコバン派が反対派を弾圧。理想を掲げた彼らが粛清を行い、恐怖政治を行ってテルミドールのクーデターで倒されることになります。


 フランス革命ではその後、戦争の中で活躍したナポレオンが出てきて次々と外国に勝利し帝政ナポレオン時代を迎えるわけです。


 今の日本は革命(政権交代)後に行き詰まり、支持率の低下をしている中で、戦争に匹敵する国難、すなわち東日本大震災が起きてしまった。


 決して戦争がいいというわけではないのですが、不景気のときに戦争が始まると需要が生まれるため好景気につながるというものがあり、日本でも朝鮮戦争やベトナム戦争の時には特需に沸きました。今回、戦争に匹敵する破壊、すなわち大震災ああったため復興需要が必然として起こってくる。


 ここをどう舵取りをするかで、今後の日本経済の行方が決まってくるのではないでしょうか。革命というのは起こったからうまくいくわけではなく、新政権がフランス革命のジャコバン派のような恐怖政治を行い混乱を招いたように、今の日本も政権交代後の民主党政権の実行力に疑問符がつき、これからどうなっていくのか・・・。


 戦争を契機にナポレオンが登場したように震災復興を契機に英雄が登場するのに期待をするしかないのか!?
 退陣を表明してやめない管総理の元では野党の同意もなかなか得られず、物事がなかなか進まない今の日本の政治の現状はどうにかならないものか、歴史を振り返りながら考える今日この頃でした。


2011/07/21(S)
 

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